『BLOOD-C The Last Dark』

2011年7月期に放送されたテレビシリーズを前日譚とする、完全新作劇場アニメーション。先週末、6月2日公開の本作品、さっそく見てきました。
原作:Production I.GCLAMP、ストーリー・キャラクター原案:CLAMP、脚本:大川七瀬さん・藤咲淳一さん、監督:塩谷直義さん、制作:Production I.G


(残りの14行、ネタバレあり)

「人を作るのは、何だと思う?」

「それを作るのは、持って産まれた資質か、それとも、その後どう育てられたかなのか」

「人は、それに産まれるのか。それとも、それになっていくのか。その答えは――」

テレビシリーズで描かれた、とある田舎町を舞台とする大がかりな実験の後、その主謀者を追って東京へ向かったヒロインが、そこでこれまでの因縁に決着をつけるお話。
自分は、テレビシリーズの方は最後まで全部見てたんですが、映画の方は事前にあまり情報を仕入れてなくて。で、見たら、予想以上の出来映えでちょっと驚きました。
特に冒頭の地下鉄シーンをはじめとするアクションは、そのためにもう一度見に行きたくなるほど。初日で満員で、ほんとに一番端の席で見たのが悔やまれます……。
映像面では他に、CGも駆使して再現されたリアルな東京の町並みや、絶妙な光と影の使い方ですごく雰囲気の出ている邸宅内部の様子など、背景・美術も良かったです。
ストーリーは、テレビシリーズが衝撃のどんでん返しだったので、もしや今回も……というわけで、途中で感じた疑問や違和感が、きちんと解消される作りになってました。
そして噂の(?)クライマックスは、まさに劇場版ならでは。確かにあれくらいのスペクタクルは、わざわざ劇場でやるんだし、映画にあってもいいですね。
ちなみに一応、年齢制限「PG12」表示の作品ですが、そんなに(テレビシリーズを上回るほど)ショッキングなシーンはなかったと思います。
ただせっかくなので、神谷浩史さんの演じるキャラクターには、「愛が重いッ!」とかなんとか、言って欲しかった気も。阿良々木暦、あるいは、糸色望の声色で(笑)。
上記で引用した、テレビシリーズでの謎掛けに関しては、『XXXHOLiC』の、「この世には偶然なんてないわ」「あるのは必然だけ」って台詞をちょっと思い出したり。
何者かに産まれてきたこと自体は、幸せでも不幸せでもなくて――、みたいな。(←あくまで自分の解釈です。念のため。)
ともあれ、劇場版にふさわしいクオリティとスケールで、テレビシリーズから続くストーリーに決着がついて、ようやくスッキリしました。見に行って良かったです。