『機動戦士ガンダムUC 2』『同 3』『同 4』

原作・矢立肇さん、富野由悠季さん、監督・古橋一浩さん、脚本・むとうやすゆきさん、ストーリー・福井晴敏先生、アニメーション制作・サンライズの、OVAシリーズ。
明後日、5月5日に、BSアニマックスで、第1巻から第4巻までを一挙放送ということで、この機会に第4巻までの感想を。(第1巻については以前すでに書いてますが。)
機動戦士ガンダムUCユニコーン)』シリーズは、現在第4巻まで、PlayStation®Storeやバンダイチャンネルなどでも配信中。Blu-ray&DVDも発売中です。


(残りの19行、ネタバレあり)

マリーダ・クルス:「バナージ たとえどんな現実を突きつけられようと――」「それでも… と言い続けろ」「自分を見失うな」

マリーダ・クルス:「それが おまえの根っ子…」「あのガンダムの中に眠るもうひとつのシステムを…」「呼び覚ます… 力… に…」

宇宙空間に浮かぶ工業コロニーで、専門学校の学生として暮らしていた主人公が、その出自と偶然の出会いから、「宇宙世紀」を揺るがす争乱へと足を踏み入れていくお話。
開放すれば連邦を転覆させるといわれる『ラプラスの箱』を巡り、地球連邦軍ネオ・ジオン残党軍がその争奪戦を繰り広げる中で。
ラプラスの箱』の鍵となるユニコーンガンダムを託された主人公は、連邦側とネオ・ジオン側の双方を行き来し、さまざまな人々の生死や想いに触れていきますが。
そうした経験は、彼の内面に大きな変化をもたらし、また、周囲の人々の心をも揺り動かすことになるのでした……。
さてまず、この主人公が、筋金入りと言いますか、実に正しく主人公してると言いますか。全身全霊でテーマと向き合って、この物語に関わっているような感じがします。
とある場面での「撃てません!」にはもう、だから、一周回って噴き出したくらい(笑)。ベテラン声優さんたちはもちろん、主人公役の内山昂輝さんの熱演も光ってます。
福井晴敏先生の小説版『機動戦士ガンダムUC』はかなりの長編らしく、それを全6巻予定のOVAにする中で、ストーリーはどうしても駆け足にならざるを得ない感じですが。
そうした声の演技に加え、毎回本当に惚れ惚れとするようなカッチリとした作画が、それを補って余りある濃密なドラマを実現させているように思います。
特殊部隊のダグザ・マックール中佐や、前線部隊のジンネマン隊長も印象的なんですが、名もない「ダイナーの老主人」まで、どれだけ味のある渋い芝居をしてるのか、と。
あと、「おいおい 動く戦争博物館かよ」と登場人物からツッコミが入るくらい、新旧入り乱れてのモビルスーツ戦も、見所の一つだと思います。
主人公たちは、ユニコーンガンダムの導きに従い、人の破滅の足跡をたどるかのような調査行を続けますが、そうしてまた、そんな残酷な戦場へと足を踏み入れていきます。

バナージ・リンクス:「おれには わかりませんよ」「でも わからないからって――」「哀しいことが多すぎるからって――」「感じる心を… 止めてしまってはダメなんだ」

バナージ・リンクス:「おれは 人の哀しさを…」「哀しいと感じる心があるんだってことを――」「忘れたくない」「それを受け止められる人間になりたいんです」「キャプテンと同じように!」

未だ正体の分からない『ラプラスの箱』とは果たしていったい何なのか? 「今を超える力」「可能性という名の内なる神」という、父の言葉に込められた意味は?
大いに悩み苦しみながら、『ラプラスの箱』に向かって進む主人公と、そんな『ラプラスの箱』を巡る争乱の解決を目指すヒロインの、行き着く先に待ち受けるものは――?
いよいよ今月、5月19日からは、最新第5巻のイベント上映や、PlayStation®Store、J:COMオンデマンドなどでの先行有料配信がスタート。
来月、6月8日には、Blu-ray&DVDの一般販売も開始予定ということで、この『機動戦士ガンダムUC』シリーズからは引き続き目が離せません。