『あの夏で待ってる』 #12

先週、3月23日に、“原作”ではないのですが、小説版『あの夏で待ってる』も発売された、『なつまち』TVシリーズの感想を。


(残りの12行、ネタバレあり)

貴月イチカ:「私たち、なにかを始めたいと思って、お互いを見つけた。ちゃんと見つけることが出来た」

貴月イチカ:「私の中に生まれたこの思いは、ずっと続くわ。絶対に消えないって、信じられる」

貴月イチカ:「大好きだよ、海人くん」

まさか本当に“世界”がつながっていたとは。「謎の声」まで出てくるし(笑)。
しかし最終話で、今まで撮影したフィルムをみんなで見るとか、憎い演出ですね。なんかウルッと来ます。

人が死んだら、天国に行けると言う。でも、僕はそうとは思わない。死んだ人間は、きっと、誰かの心へと旅立つのだ。思い出となって、生き続けるのだ。

けれど、それもやがては消えていく。だから人は、何かを残したいと願うのだ。忘れてしまわないように、忘れないように。
僕は、カメラを回し続ける。フィルムに焼き付けたあの夏を、その続きを――

思えば第1話、冒頭いきなり、主人公が……!?という幕開けで、実は主人公は死んでました、みたいな可能性がいつも、頭の片隅にありましたが。
こうして最後まで見るとむしろ、地球を離れざるをえなかったヒロインに託して、死んだ恋人か誰かとの思い出を、なんとか前向きに描いた物語のようにもとれそうな気が。
文化祭で上映を見た生徒の台詞に、「すごかった。宇宙船とか、メカとか、特撮バリバリで」ってありましたけど、そんな映像、撮影フィルムの中にありましたっけ?
『あの夏』の記憶を、上映フィルムよりもずっと高画質で残せる、『あの夏で待ってる』Blu-ray&DVD第1巻は、先週、3月23日からすでに、発売中です。