『サクラダリセット 3』『同 4』

先週に引き続き『サクラダリセット』、今回は第3巻と第4巻の感想です。


(残りの13行、ネタバレあり)

津島信太郎:だが、優秀なだけでは意味がないのだ。
それなら管理局で十分だ。
管理局とは違った形で、問題を解決できるのかを、判断しなければならない。

まず第4巻は、シリーズ初の短編集。
作中の時系列的には、第3巻までの長編3本の、合間合間に収まるエピソードが5本、収録されています。それぞれの詳しい順番は、第4巻あとがきに解説もあります。
あと、「サクラダとはまったく関係のない短編」ながら、「『サクラダリセット』の告知という一面があった短編」・「ホワイトパズル」も収録。
そして第3巻は、二年前、中学の時のエピソードを振り返り、ラストは再び、現在へ。
物語の鍵となるアイテム・「マクガフィン」と。あまりにできすぎた一枚の写真と。そして二年前、常に“正しい”選択肢を選び続けて死んでいった少女。
第2巻で、彼女の計画と、その反則じみた実現方法を知った主人公は、かねてからの望みをついに実行に移します。

相麻菫:「私は、私が予定した物語の主人公を、貴方にしたかった。これまでの出来事は、全部そのための準備なの」

何もかも、辻褄合わせの“作り物”じみた“嘘”ばかり。けれどなぜだかいつの間にか、こんなに引き込まれていて。それはまるで、良くできた“物語”のように。
第4巻あとがきによれば、「次の小説(サクラダ五冊目)」は、「今の予定通りにいけば、春には形になるはずです。」とのこと。
目の前にいるこの少女は、はたして本物なのか。あるいは偽物、そっくりなだけの別人なのか。続巻が楽しみです。