『機動戦士ガンダムUC 1』

亡国のイージス』や『終戦のローレライ』などで数々の文学賞を受賞し、『∀ガンダム』のノベライズも手掛けた小説家・福井晴敏(ふくい・はるとし)先生が。
機動戦士ガンダム』・いわゆる“ファーストガンダム”に連なるシリーズの世界観と真正面から向き合い、出来上がった、『ガンダム』最新OVAシリーズの第1巻。
監督は、『るろうに剣心』『HUNTER×HUNTER』などの古橋一浩(ふるはし・かずひろ)監督。企画・製作は、もちろん『ガンダム』シリーズのサンライズ
今年3月に一般販売されて、その発売日にちゃんと買ってあったんですが。パッケージソフトはどうも見るのが後回しになりがちで(笑)。
今週末、10月30日から、いよいよシリーズ第2巻の劇場イベント上映、そしてネット有料配信がスタート、ということで、ようやくブルーレイ第1巻を見てみました。
ちなみに、この第1巻・『機動戦士ガンダムUC episode 1 「ユニコーンの日」』は、来週、11月3日にWOWOWにて、TV初放映も決定しています。


(残りの11行、ネタバレあり)

カーディアス・ビスト:「人間だけが神を持つ」「今を超える力…」「可能性という内なる神を」

宇宙移民者による「ジオン公国」の、「地球連邦」からの独立に端を発した「一年戦争」終結から十数年。連邦とジオン残党との戦いの火種がなおもくすぶり続けるなかで。
宇宙空間に浮かぶ工業コロニーで暮らす主人公は、「何をしていても その時を本当には過ごせていないような…」、そんな日々を送っていたが。
とある少女との出会いをきっかけにして、「宇宙世紀」の成り立ちに大きく関わるという最重要機密・『ラプラスの箱』を巡る争乱へと足を踏み入れていく――。
58分という限られた時間のなかに、ロボット(「モビルスーツ」)同士の戦闘と、ボーイミーツガールと、生身のアクションと、戦争と、人の死とを、ぎゅっと詰め込んで。
最後にきっちり、主人公をモビルスーツに乗り込ませるところまで描いていて、お見事と言うか、非常に満足度の高い出来映えでした。
さらに、「あらゆる潜在能力を開花させ」「他者と誤解なくわかりあえるようになる」という、人の革新・「ニュータイプ」を、テーマ的に深く掘り下げていくみたいで。
おそらくそれと関係するだろう、「開放すれば連邦を転覆させるといわれる」『ラプラスの箱』を巡る謎も面白そうです。
作画・映像面では、前半冒頭の戦闘が特に、コクピット内とか機体の動きとか、演出も凝ってて、鳥肌立ちました。全編を通して、端正なキャラ作画も非常に良かったです。
次巻からは、「シャアの再来と言われる男」も登場して、ストーリーもいよいよ本格的に動き出すようで。来月、11月12日の第2巻発売が待ち遠しいです。
封入チラシにあるリリース情報などによると、このシリーズは全6巻予定の、わりと長期のプロジェクトみたいですが。この調子でじっくり丁寧に作りきってほしいです。