『星海大戦』 #1

先日プレオープンした星海社のウェブサイト・『最前線』掲載作品。
『全死大戦』シリーズなどで知られる、元長柾木(もとなが・まさき)先生の新たな「大戦」シリーズ。


(残りの16行、ネタバレあり)

九重有嗣:「擬態はどこまでだ?」
九重有視:「……何のこと?」

紀年法と科学技術と社会システムと「遠くへ行きたい」という思いに駆られ、その版図を広げる人類が。
地球外生命体との接触をきっかけに、水星から木星圏までの「近惑星」国家群と土星圏以遠の「遠惑星」国家群に分かれ、太陽系全域を舞台とした大戦を経験し。
現在は、限定的な武力衝突を繰り返しつつも、激しい戦いはもはや行われず、弛緩した戦争状態が延々と続いている、そんな時代……。
というわけで、本当にガチなスペースオペラでした。あらすじ紹介によれば、「男と男と男の誇りと天才が、星の海を舞台にぶつかり合う!!」
そんな一方、「私のために争わないでください」と言って、あやうく人類を滅ぼしかけたあげく。
「あなたたちなんか知りません。勝手にやっていてください」と言い残し、太陽系中心域を立ち入り禁止にして引きこもる、萌え地球外生命体が登場したり(笑)。
また一方で、「量子重力の因果形成理論」とか「ノウアスフィアをつうじて宇宙空間に意識浸潤」とか、かなり本格的にSFっぽい仕掛けも用意していたり。
今後も真面目にスペースオペラしていくのでしょうが、それは“擬態”で(と言うと言い過ぎですけど(笑))、作品のテーマ的には後者の2つが鍵になるのかな、と。
つまり、中心の構造と、因果律に関わる問題が。

九重有視:「何かを隠しているわけじゃない」

九重有視:「だけど、最初から隠れてしまってるのかもしれない」

別にしゃれでも冗談でもなく、この作品は、“フィクション”の最前線を見せてくれるんじゃないか。そんな気がします。
moz先生のイラストも色気があってすごく良いです。
次回掲載は、明日、10月01日(金)。『最前線』のスケジュールページによれば、少なくとも当面は、隔週ペースでの更新のようで、今後も全く目が離せません。