『劇場版 天元突破グレンラガン』

『紅蓮篇』と『螺巌篇』の2本に分けて、2008年9月と2009年4月に劇場公開された作品。
2007年に放送されていたテレビシリーズはすごく好きで、もちろん全部見てました。
映画の方は、『紅蓮篇』公開時に結局見に行けなくて、『螺巌篇』も見送ってしまってたので。去年4月と今年1月に発売されたDVDでまとめて視聴しました。
ファンの期待を裏切らない、すごく良い作品だったと思います。


(残りの18行、ネタバレあり)

カミナ:「忘れたのか! 俺の無茶に中身をくれたのはお前なんだ。俺の「進め!」に中身をくれたのはお前なんだよ」

カミナがいないと何もできない子だった主人公ですが、実は……、というセリフ。
ここは言わば、“夢の中”のシーンなので、これだけだと主人公の勝手な妄想ととれなくもないですが。
それ以前の場面でちゃんと実際に、カミナは同趣旨の発言をしています。
ちなみに、DVDのタイトル英語表記はそれぞれ、「GURREN LAGANN THE MOVIE -Childhood's End-」「GURREN LAGANN THE MOVIE -The Lights in the Sky Are Stars-」。
なんかかっこいい。たぶん内容的にもリスペクトがあるんでしょうけど、『幼年期の終わり』も『天の光はすべて星』も、残念ながら自分は未読です。
で、さっきタイトルを確認したら、2008年9月発行のハヤカワ文庫版『天の光はすべて星』の巻末エッセイは、『グレンラガン』原作・脚本の中島かずき先生のようです。
さて、本作『劇場版 天元突破グレンラガン』の内容ですが、大まかに言えば、テレビシリーズの総集編的な作りになっています。
とは言え、劇場版ならではの新作パート・新作カットもかなり大量にありますし。
また、テレビシリーズ全27話を劇場版2本にまとめあげてる訳なので、バッサリ削られたエピソードもあり。
一方で、意外とも思えるシーンがまるまる残されてたりもして。
テレビシリーズと比べて、制作者側の意図と言うか、ストーリーの見通しがずいぶん良くなったような気がします。
もちろん逆に、テレビシリーズにはテレビシリーズならではの、過程の面白さやライブ感覚的な良さがあるわけですが。
ともかく、そうした怒濤の熱いストーリー展開に、感動の涙を流しながら。一方で、独特のユーモアあふれる作品でもあるので、口元はなんかニヤニヤ笑ってるという。
これを見てるところは、人にはあんまり見られたくない感じかも知れません(笑)。
全体としては、人間を成り立たせている関係性といったテーマを、ドリル(あるいは螺旋)をキーワードにして、掘り下げた・突き抜けた作品だったように思うんですが。
この“熱量”を前にしては、そうした言語化はもはや無意味な気もします(笑)。“Don't Think. Feel!”的に。
燃えて、泣ける、本当に熱い作品でした。