『ホッタラケの島』

昨年8月に劇場公開された、フジテレビ開局50周年記念作品。第33回日本アカデミー賞・優秀アニメーション作品賞受賞。
今年2月に発売された、ブルーレイで視聴しました。


(残りの13行、ネタバレあり)

男爵:「私はこの島をぶっ壊して、機械を使った素晴らしい島にするのだ。そして私は、人間よりもさらに美しく、ハイグレードな存在になるのだ!」

ストーリーとしては、ひょんなことから、人間が「ほったらかした=ホッタラケにした」ものでできた、不思議な島に迷い込んだ主人公が。
迷い込んだときに知り合った島の住人(「きつね」に似た生き物)の一人と、お母さんの形見の手鏡を探していく、というお話。
まず、映像が、とても見映えがして良かったです。各場面ごとに見せ場があって飽きさせないし、作品の舞台もまるでおもちゃ箱の中みたいで楽しい。
キャラクターも基本的にすべてCGなんですが、写真的なリアルさではなく、フィギュア的なリアルさを追求したような感じで、表情も豊か。
なかでも特に、主人公が、ちゃんとかわいくデザイン・モデリングされているのに感心しました。
作品内容的には、破綻のない、割合素直な物語といった印象でしたが。
鏡とか、過去の記憶とか、物の寿命とか、人のつながりとか。見てて、いろいろとイメージが連鎖して広がっていきました。
鏡の中の虚像というのは、本質でこそあっても、実体などではないわけですから。
その力を利用しようとした男爵が、予想外の結果に行き着くのも、実は当然の成り行きだったのかも知れません。
あ、これも今日が発売日なのか、と、偶然手に取った一本だったんですが。思わぬ拾い物と言うか(笑)、なかなかいい作品で、見られてよかったです。
……と、ここまで大体まとめた後、たまたま知ったことなんですけど。脚本(佐藤信介監督と連名で)の安達寛高先生って、あの?!
ホッタラケの島』公式サイトには、プロフィールに関する情報が見当たらなくて、結局確認は取れなかったんですが。もしそうだとすれば、なるほどなあ。