『戦う司書 The Book of Bantorra』 #1

ついに放送始まりました、テレビシリーズ。
自分は原作の大ファンなので、どうしてもこういう見方をしてしまうのですが、以下、原作との比較で第一印象を少し。


(残りの13行、ネタバレあり)

シロン=ブーヤコーニッシュ:「わたしの言葉が届く時。大切な人が、大切な人を、失った場所に行ってください。……」

原作と今回のアニメの一番大きな違いは、と言うか、表面上のいろいろな違いの根底にあるのは、ストーリーとキャラのどちらに重点を置くか、その違いかなと思いました。
地の文も駆使して世界を構築する小説と、通常、登場人物達の会話や行動によって設定を説明していく映像作品という違い以上に、今回の場合は演出方針として違うような。
原作ではついに明確には口にしていなかったのですが、アニメでは発言の最後で、シロンははっきり自分の気持ちを伝えています。(コリオにも聞こえていると思います。)
この違いはそれに続くコリオの独り言ともリンクしていて、原作では「……なんなんだろう」(言っている意味がわからない)、アニメでは「……これは間違いだ」。
逆に時間を巻き戻せば、シロンの『本』の入手経緯も違っていて、特にアニメでは、このままではすぐにでも死んでしまうという際に、偶然手にする形になっています。
自分はそうは感じなかったのですが、原作では、コリオは終始、人に言われるまま・すでに決まっていたことに従って行動していただけだ、みたいな見方もありました。
今回アニメでは、おそらく『本』の入手時点で直ちに(命を)救われた格好になっていて、これはたぶん、コリオの今後にもさらに影響していくんだと思います。
要するに、原作では、キャラクターの心情を丁寧に描きつつも、たとえばシロンの言葉は“謎”として、読者の関心をストーリーへと誘導していたように思えたのに対して。
アニメでは、各キャラクターの行動原理・感情的な部分を掘り下げて、それによってストーリーを進行させていくつもりなのかな、と。
というわけで、アニメの方はとりあえず、個性的すぎる署員を抱えた警察もの・刑事ものドラマみたいな感じ、というのが第一印象でした。
TSUTAYAオンラインの特集ページによれば、原作シリーズ最終巻は2010年1月発売予定。アニマックスの番組表データによれば、テレビシリーズは全26話予定とのこと。
面白い作品になるよう、期待しています。