『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語』

2011年に放送され、話題を呼んだ、TVアニメシリーズ・『魔法少女まどか☆マギカ』。
その総集編(+α)的な内容だった、『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編] 始まりの物語』『同 [後編] 永遠の物語』に続く、待望の完全新作・映画化第3弾。
(原作:Magica Quartet、総監督:新房昭之、脚本:虚淵玄ニトロプラス)、キャラクター原案:蒼樹うめ、監督:宮本幸裕、総作画監督:谷口淳一郎、山村洋貴、アニメーション制作:シャフト。)
自分はTVシリーズは全話見てましたが、『劇場版 [前編]』『同 [後編]』も、前日にBlu-rayでしっかり見て、興奮さめやらぬまま・寝不足のまま、行ってきました。
先週末、10月26日より全国ロードショー中の、『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語』についての、以下、感想です。


(残りの13行、ネタバレあり)
TVシリーズおよび劇場版前後編で、魔法少女が過酷な宿命から救われてからしばらく後。主人公たちはいつも通り、魔法少女の活動に励んでいましたが……といったお話。
心を許せる仲間たちと過ごす毎日は、本当に幸せそのもの。けれどもその現実に少しずつ違和感を募らせてゆく主人公は、その謎を探るべく、行動を開始します。
大ヒットシリーズの劇場版、しかも完全新作ということで、今回の『魔法少女まどか☆マギカ』は、映像的にかなり手が込んでいて、画面の密度・情報量がすごいです。
劇団イヌカレーさんによる異空間設計はもちろん、魔法少女の「ガンカタ」風な銃器近接アクションや、隣町へ向かう幻想的なバスなどが、なかでも特に印象的でした。
さてストーリーは、TVシリーズおよび劇場版前後編で、すでに一度、きれいに完結しているわけで。それをどう続けるのか、期待半分・不安半分といったところでしたが。
実際に見てみると、なるほどそう来たかーと、大いに感心させられました。ほむらは、まどかの選択・行動の意味を、未だに受け容れられない・納得できていないんだなと。
これまでの設定の有効活用は、そうした大筋だけではなくて、登場人物もそれぞれが、ふさわしい形で活躍していて、思い入れもあるだけに、そこはやはり嬉しかったです。
ところがそういったアクロバティックな着想で、ふたたび見事に大団円を迎えるのかと思いきや、なんとまたしても予想もできないどんでん返しが!(笑)
そのあたりの事情は、劇場パンフの、虚淵玄先生へのインタビューに詳しいのですが、どうやら本作は、更なる続編前提の、“To be continued.”な物語だったみたいです。
同じく劇場パンフの、新房昭之総監督へのインタビューによると、TVシリーズの最終話で一度だけ出てきた言葉・「円環の理」には、ちゃんと意味があるらしく。
だったら(「円環」つながりで、J・L・ボルヘス先生風に)、他者が自分を夢みている、といった方向性も、じゅうぶんアリな気もしますが。
ともかくこのままでは、ほむほむがあまりにもかわいそうなので、早くこの続編を見せてほしいです。
とは言え、まずは、まさに“やっと逢えたね”といった感じの本作・『劇場版 [新編]』。数量限定の週替わり来場者プレゼントもありますし、まだの方はどうぞお早めに。